写真付きでわかりやすい塗装工事の「工事完了報告書」を解説!塗装の流れも紹介

 特に、初めて外壁塗装や屋根塗装の工事をされる方の中には、工事が完了し仕上がりを確認するまで、不安に感じる方もいらっしゃることでしょう。

そのような方々のために、一部の施工会社では、塗装メンテナンスが無事に終了した際に「完了報告書」を作成し、お客様にお渡ししています。

完了報告書の内容や形式は施工会社によって異なりますが、今回はその完了報告書がどのようなものかご紹介いたします。

工事の記録が一目でわかる「工事完了報告書」

 塗装工事の期間中、お仕事などでご不在のお客様や、工事の進行状況を確認できないお客様もいらっしゃいます。

また、屋根や付帯部などの高所作業では、工事の経過を直接ご覧いただけないため、どのようにメンテナンスが行われているか不安に感じる方もいらっしゃるかもしれません。

そこで、現場で作業する職人やスタッフが作業工程の写真を撮影し、工事完了後にまとめてお客様にお渡ししています。

この完了報告書をご覧いただくことで、

- 工事がいつ施工されたか

- どの箇所で、どのようなメンテナンスが行われたか

- 工事に手抜きがないか

など、詳細な情報を確認することができます。

外壁塗装にはどんな工程がある?

 塗装工事は、足場の設置からスタートし、足場の撤去と引き渡しで完了します。

全体的に見て、10の主要な工程があり、通常の工事期間は戸建て住宅では約10日から14日程度です。プロの塗装業者であれば、作業スケジュールを詳細に計画し、提供してくれるでしょう。

ただし、外壁が大きく劣化していたり、天候が悪い場合などは、計画通りに工事が進行することが保証されているわけではありません。そのため、予期せぬ遅延に備えて、工事の延期を考慮しておくことが大切です。

ここではそれぞれの手順を一つ一つ解説いたします。

【1日目】足場設置&飛散防止シートの設置

 2階以上の建物に外壁塗装や屋根塗装を施す場合、足場の設置が必要になります。足場は建物の周囲を覆うように設け、単管などを使用して組み立てます。この段階ではまだ本格的な作業が行われていないため、窓を自由に開け閉めすることができますが、足場の組み立てには一時的に大きな音が発生することを覚えておきましょう。

また、塗料や洗浄液が周囲に飛散しないように、飛散防止シートを設置します。

【2日目】高圧洗浄を実施

 塗装作業の前に、高圧洗浄機を用いて外壁や屋根の表面から汚れを徹底的に洗い落とします。この工程は欠かせないもので、なぜなら汚れが残ったままだと塗膜が適切に付着せず、その結果、色むらや塗装の剥がれなどが発生する可能性が高まるからです。

洗浄中は建物内に水が入り込むため、窓や玄関を開けたり、洗濯物を干すことはできません。

また次のステップに進む前に完全に乾燥させる必要があります。

最短でも1日から2日程度は乾燥に充分な時間を確保することが必要です。この待ち時間を無視して次の工程に進むと、外壁に水分が残ったまま塗装することになり、それが下地に悪影響を及ぼし、塗膜の膨れや気泡の発生を招く可能性があります。

【3日目】下地処理&養生作業

 下地処理の段階では、既存の外壁に見られる劣化箇所を丁寧に補修します。具体的な作業には、サビを取り除く作業や、コーキング(目地)の打ち替え・増し、崩れた箇所のパテ埋めなどが含まれます。

下地処理は非常に重要な工程であり、これを怠ると内部への侵食が進行したり、塗膜表面に悪影響を及ぼす可能性があります。したがって、十分な下地処理を行うことは不可欠です。

下地処理が完了したら、塗装を行わない部分に塗料が飛散しないように、適切な養生作業を行います。主に窓、玄関ドア、玄関タイル、庭木などの場所に養生を行います。養生作業にはマスキングテープ、ビニールシート、養生シートなどが使用されます。

【4〜7日目】塗装作業

 外壁や屋根の塗装工事は、通常3日以上にわたって段階的に進行します。塗装のプロセスは、「下塗り→中塗り→上塗り」という3つのステップで構成され、各ステップ終了後には4時間から1日以上の乾燥時間が必要です。

中塗りや上塗りを急いで行わず、しっかりと乾燥させないと、下地に含まれた水分の影響で施工品質が低下する可能性があるため、乾燥時間を適切に確保することが非常に重要になります。

【8日目】チェック作業

 塗料の3回塗りが完了し、しっかりと乾燥したら、養生を取り外します。そして、仕上がりを注意深く点検します。

家主も一緒に確認し、塗り残しや不均一な箇所を指摘して修正をお願いしましょう。この時納得いくまで、細部まで確認することが大切です。

この段階で問題を見落とすと、再び足場を組む必要が生じ、追加料金が発生する場合があります。

【9日目】足場の解体

 作業内容に問題がないことを確認し、同意をすると、足場が撤去されます。

家全体の外観を注意深く確認できるようになるので、再度注意を払って点検しましょう。昼間と夜間では光の当たり方が異なりますので、時間を分けて2回にわたって点検することをおすすめします。

また使用した塗料缶や、養生道具などの道具の清掃と撤去も始まります。

【10日目】引き渡し

 これで、塗装工事はすべて完了です。あとは施工主が最終仕上げに納得し、正式に引き渡すだけの段階となっています。またアフターケアや、定期点検などのサービスが提供されている場合は、今後のスケジュールについても確認しましょう。

工事が完了した後には、近隣の住民に改めて挨拶するのをおすすめいたします。

この際、塗料の飛散などに関する問題が発生していないかを念のために確認することが大切です。

埼玉で塗装工事をする前に知っておきたいこと

埼玉県で外壁塗装や屋根塗装を検討する前に、業者に依頼する上で基礎知識を知っておく必要があります。

なぜなら、これらの塗装作業はこの先10年以上のマイホームに影響してきますので、業者選びは特に慎重に行う必要があります。

外壁塗装・屋根塗装の耐用年数はどれくらい?

外壁塗装や屋根塗装の耐用年数は、材質や塗料によって異なると言われていますが、一般的には10~15年ほどです。ただし、これは平均的な年数であり、実際には住宅の環境や塗料の種類によって耐用年数が変わってきますので、外壁や屋根の劣化状況を考慮し、塗装工事のタイミングを決めることが重要です。

ご自宅の外壁や屋根の劣化状況に合わせて工事を行うことをおすすめします。

早めの塗装が重要

外壁や屋根の劣化症状は、軽度なものであれば塗装で修復できます。しかしそのまま放置してしまうと、症状が進行し、外壁材や屋根材を全面的に交換する大がかりな修復が必要になるかもしれません。

もちろん、症状が進行すればするほど、修復にかかる費用もどんどん高額になっていきます。

見た目では分からない場合でも、劣化は進行している可能性があるため、定期的なメンテナンスをしておくことが、結果的に費用を抑えることに繋がります。

悪徳業者やトラブルに巻き込まれるリスクにもご注意!

外壁塗装や屋根塗装の施工不良は、なんともタチが悪い問題です。一般的に、その欠陥が明らかになるのは施工後2~3年経ってから。つまり、施工直後に品質を判断するのは至難の業なのです。

悪徳業者の場合、下塗りなど本来必要な工程を省いて施工費を浮かそうとするのがよくある手口になります。

さらに、悪質ではありませんが技術不足などの理由で、本来の耐用年数よりも短期間で劣化が進むことも考えられます。

そのような事態に備えるためには、万一の際の保証が手厚い業者をを選ぶことが重要です。

埼玉県の塗装業者事情

ここまでは、埼玉に限らず外壁塗装・屋根塗装で一般的にいえる基礎知識についてご案内してきました。

ここからは埼玉の塗装工事事情に焦点を絞り、その具体的な特徴やポイントについて解説していきます!

埼玉県の気候・外壁塗装

外壁塗装や屋根塗装は、その日の気温や湿度の影響を大きく受けます。

気温や湿度によっては、外壁塗装を行うことができない場合もあります。

一般に以下のような条件下では、外壁塗装や屋根塗装を行うことはできないとされています。

・気温が5℃以下または35℃以上

・湿度が85%以上(雨の日も不可)

・強風の場合

埼玉の気候は比較的温暖で、冬にはほとんど降雪がありません。つまり、塗装作業が制限される季節はほとんどありません。

ただし、夏の暑さがピークとなる8月は、温度や湿度が高いことがあり、十分な乾燥ができず、施工不良のリスクが高まる可能性があります。そのため、この時期の塗装は避けた方が良いでしょう。

また、雨が降ると塗装作業は行えませんので、梅雨の時期の施工にも注意が必要です。

「優良塗装業者」を選ぶためには?

塗装業者を選ぶ際には、一時的な雰囲気や印象に流されることは避けましょう。見た目だけでなく、確かな信頼性や品質に基づいて選ぶことが重要になってきます。

大幅な値引きなどの甘い言葉に乗せられて契約することも、悪徳業者の一般的な手法であり、注意が必要です。

そこで、安心して選ぶための「優良業者の見極め方」についてご説明いたします。

保証やアフターフォローが充実している

万一トラブルが発生した場合、信頼できるサポート体制が整っているかどうかは、重要な要素です。大きな被害が発生したにもかかわらず、保証の対象外だったという状況を避けるためには、適切な保証サービスや保険の選択、そして頼りになるアフターサービスを提供している業者を選ぶことが肝要です。

目的に合わせて最適な塗料を提案してくれる業者

依頼者の要望や外壁の状態、建物の場所や用途などから、最適な塗料は自然と絞りこまれてくるものです。お住まいに最も相応しい塗料と施工方法は、必ず存在します。単に価格だけを重視して提案してくる業者ではなく、真に依頼者の目的に合致した提案をしてくれる業者を選ぶことが大切です。

スタッフの技術力が十分にある業者

スタッフの技術力を判断するのは、依頼者にとっては困難なことです。しかし、技術力を評価する指標は、いくつか存在します。例えば、必要な作業に対応するための適切な資格を持っているか、各種業者団体に所属しているかなどです。また、建設業許可を取得しているかも重要ですし、各都道府県の塗装業協同組合への加入も業者の信頼性の目安となります。

実績のある塗装業者

実績のある塗装業者は、信頼性があるといえます。

もちろん、これが全てに当てはまるわけではありませんが、長い期間経営を続けている業者は悪徳業者ではない可能性が高いでしょう。

悪徳業者は口コミなどで悪評が立ちやすく、数年も経たずに消えてしまうことが多いのです。しかし、創業から20年以上の歴史を持つ塗装業者は、その実績と評判から経営が続けられているといえます。